筑波山の水脈を守る会

本会は、筑波山の水脈を保全する活動を行っています

その後の宮山

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今日の筑波山は蒸します… 

皆さんとの感動的な4月のWSから、早三か月。実はちょくちょく見に行っていたのですが、あまり草が生えておらず、ご報告をしていませんでした。先日の地球守のWSで気にしてくださった方がいらしたので、久方ぶりに宮山へ行ってまいりました。

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Eさん宅の隣の沢筋。鬱蒼としてきましたね。ここから宮山西の谷筋へと入っていきます。どんなふうに変わっているかな…

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まずは、私が「できない!」と騒ぎながら、S野さんとペアで積んだ下手な石堤をチェック。崩れていなくて良かった…

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なんと、石堤から芽が!私の石堤が母胎となって、新しい命が生まれました。かわいい!

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リリーもついてきましたよ。地球守のダーチャでは、皆さんにたくさんかわいがっていただきました。高田さんのお顔をべろべろに舐めていました。

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美しく繁茂する森の下草。

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高田さん、お弟子さんたちに作っていただいた小さな橋。見事にまわりと調和しています。

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橋の下には当然有機物や炭が挟み込んであるに違いなく、ふわりと下草が。美しい…(ああ、こういう時に名前がさっと出てくれば、守る会事務局としてはかっこいいのですが…野草事典を買わなくては。)しっとりとした苔が石にのっている。

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ゆるい坂を登って稲荷神社へ。アズマネザサが侵入しています。ここは横溝を入れていたと思いますが、、、

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稲荷神社です。私の推測ですが、六所の里の氏神様はここであったと思います。皇大神宮は里の氏神様としては格が高すぎますので、、、お参りしてから歩を進めます。この祠の右後方は水が停滞し、湿地状態になっていましたが、皆で溝を掘りました。今はどうなっているだろうか。

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沢になっていますね!これが本来の状態であったのでしょう。まだまだ下草はわずかです。

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水は澄んでいますが、ところどころ落ち葉や枝が流れを遮っていますので、取り除いてみます。

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右側にかなりしっかりとした崖状の地形ができていますね。まさに「はけ」。縦にたくさんの亀裂が入っています。ミクロとマクロは相似形と言いますが、手を入れた後、こうやって静かに観察してみることが一番大切ですね。

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崖状の地形が安定しているのか、小さな芽吹きが見られます。(なんか私、植物や地形をきちんと記述する言葉を持っていないことに気が付き、恥ずかしい…)この泥の下には、しっかりと有機物がはさみこんであるのが見えますね。竹炭もです。地形が崩れず、安定している。教えていただいた通り!

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上流から見ると、しっかりとした水道が出来ていますね。

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さらに上流のふわあっとした蛇行する流れ。左右にシダ類が美しく垂れる。

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みなさんの作ったしがらみから、シダの赤ちゃんが芽吹きましたよ!本当にピュアですね。

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一度地中にもぐってから水が湧き出している箇所。まだまだグライ層が消えていません。

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落ち葉を取り、はっきりとした水道を蛇行させながらつけてみました。かなりの粘土質です。色々と実験して、観察していきます。何か良くない所作をしている時や、もっと良いやり方をご存知の方、遠慮なくご教示くださいね。

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リリーと森を散策していると、雲間から光が差し込みました。こんな時、森がぱっと笑いかけてくれたような気がします。

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岩を抱えこんで育つカシ(なのでしょうか?)。将来巨木になるのではないかと思います。岩の上には良い苔が載っています。次回はおそらく、ここの上の谷筋をやっていくことになると思います。

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任務終了です。
蚊は不思議とほとんど近寄ってこず、とても心地よい空間でした。以前は、何か特別な「気」が充満しているのだけど、下はぐずぐずで水が停滞していましたが、今回は下もさっぱり。下草が生えればどんどん良くなっていくと思います。後、やはり間伐がこの森には必要であると感じました。たった一日の作業で、劇的に空間が変わったことを実感しました。もしこういう作業を、年に二回ほど行い、後は定期的なメンテナンスをすれば、本当に宮山は変わっていくんじゃないかなと、そんな予感がしました。そのためには息切れしないことが一番大切で、とにかく持続していくことですよね。

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六所集落から立野集落への帰り道に、とても素敵な流れを見つけました。住宅の敷地から石積みの側溝へ水が落ち、、、

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アスファルト舗装の道を横切って、沢が流れていきます。美しくて心洗われるようです。こんな沢も、集落にわずかながら残っています。こういう場所は、不思議と岸の草が暴れないものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再訪・地球守/土気ダーチャ

地球守とは、私達を導いてくださっている造園家、高田宏臣さんの主宰されているNPOであり、土気ダーチャとは、千葉にある小さな地球守のフィールドです。土気ダーチャに家族で訪れたのは昨年の4月のことですが、先日、久方ぶりに再訪いたしました。

高田さんにはたいへんなご迷惑をおかけし、お世話になっているとは言え、実は、個人的にじっくりとお話をさせていただいた事は殆どなく、今回ははじめて、お酒も入りながらのざっくばらんなお話ができ、真摯でありながらも、どこまでもおおらかな高田さんのお人柄に、改めて敬愛の念でいっぱいになりました。そして、私達がどのような者達であり、何を腹に抱えているのか、正確なところはご存知ないにもかかわらず、直感で信じてくださり、このようなご高名な方が、惜しみなく力を貸してくださり続けていることに、稀有なことであると―しかしそれはとにかく、「筑波山であるから。」「ここだから。」ということに尽きると思います(それを有難いことに、高田さんは、あなただから、という言葉で、勇気付けてくださいます)―、改めて感謝の気持ちでいっぱいであることを、この場をお借りしてお伝えしたいと思います。

土気ダーチャとはどのような場所であるのか。豊かな下総の地では、幸運なことにどこにでもあるような、いたって平凡な、しかし太古から最も多くの命を育んできた、地力の強い小さな崖、「はけ」にあります。「はけ」という言葉を聞いて思い出すのは、高校生の頃になぜか夢中になった、大岡正平の『武蔵野夫人』の冒頭です。大岡正平は、第二次世界大戦の激戦地の帰還兵でありましたが、命を守るために身につけなくてはならなかった冷徹な目で、地形を正確に記述しました。「はけ」とは、命の源でした。縄文遺跡の多くが、このような地形の上に遺されると言います。「はけ」は、小さな地形落差であるにもかかわらず、清らかな水をこんこんと湧き出す力を持っています。しかし土気ダーチャの「はけ」は、アズマネザサの繁茂する不法投棄の現場でした。それを、震災後の高田さんは思うところおありになり、私財をなげうって再生されました。そのことに私は、心の震えるものを感じるのです。どれだけの自然派と言われる人が、震災後、遠い場所へと居住地を移したことか。責めることはできません。でも、私達はここに留まり続け、汚したものを浄化していかなくてはいけない。その決意、お心が、伝わってくるのです。技術もさることながら、何よりもそのような高田さんの思想に、私達も含め、多くの方が惹かれ続けるのでしょう。

地球守のダーチャは、WS開催の際にどなたでも見学することが出来ます。どうか皆さま、機会がありましたら一度行かれてください。ここを見学すれば、高田さんのフィロゾフィーが、一目瞭然です。ただの芝地が、驚くほど柔らかいのです。この地は、高田さん、高田さんのお弟子さん、地球守の賛同者たちの愛を一身に受け、失われていた地力を取り戻し、谷はその地形としての本領を発揮し、枯れていた水を蘇らせました。ゴボゴボと音を立てながら、清廉な水を湧き出しています。昨年よりもさらに力を増していました。あらゆる虫、「雑草」に、病にすら、役割と意味があると言います。ならば、自然の理から離れ続ける人間の持つ本来の役割とはなんであるのか。考え続けていました。それはやはり、「牧人」としての使命を課せられているのだろうと思います。高田さんは、人が住むことによって、その土地はさらに力を高めることができるとおっしゃっていました。高田さんに「牧人」としての所作を教えていただきながら、山を舞う様に歩けるようになれればと、願っています。

今年の筑波山南麓はとても変です。小さな頃から、盆と正月には一人で野山を駆け巡っていた私の直感的なものです。気候の変動というレベルではなく、何かが根本的におかしな気がするのです。昨年まではこうではありませんでした。これは私だけの感覚なのでしょうか。皆さんのフィールドではいかがでしょうか。

 

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今週の土曜日は筑波山の水脈を守る会の活動日です。お近くにお住まいの方、どうぞお気軽にご参加ください!

6月の活動のご報告 & 7月の活動のお誘い

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見よ、この華やかないでたちを!!いやー癒されますな~。まさに山麓の花。夫の鼻の下は伸びっぱなしでありました。

しかし侮ることなかれ!たおやかな彼女たちの働きっぷりは誠にすごいものでありました。

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雨の予報でしたが、暑からず寒からず、そよそよと風の抜ける絶好の竹林整備日和でした。ありがとう筑波山

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この日は、焼き場から近い立野地区の竹林整備でした。最近はこんな竹林を見かけると、金鉱を発見したような高ぶりを感じます。これを整備して焼いて水をかければ、最高の竹炭ができますからね。里の人達は、屋敷田畑の維持で精いっぱい。とても山や竹林にまでは手が回りません。この地を守ってきてくださった里の人達のために少しでも力になれれば、と思います。

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この竹林の側には又次沢が流れています。立野地区の上には、南麓最大規模の砂防ダムが控えています。砂防ダムの直下には、良い状態の沢がしばらく残され、その後三面張りの護岸が続く。ヘドロの緑と赤さび菌の赤なのでしょうか、不気味なコントラストを見せています。力を失った水の証。この三面張りの下には、行き場を失った大量の腐った水が停滞しており、有機ガスを発生させ、筑波山の尾根筋に昇っていく。小さなグループである私達が、どこまでこれをどのように変えていけるのか。まずは日々の地道な活動を続けていくことは当然として、とにかく深く深く、この地の人・土・歴史と関わっていく他ない。ここは筑波山です。その価値はあると信じて、歩みを進めて行きます。

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皆さんの働きはすごかった!二時間ほどで軽トラック三台分の竹を協同して切り出し、焼き場に運んでくださいました。実に生き生きと、汗でお化粧は取れても、体の内側から美しさが発散されているようでした。今回は前回の反省を踏まえ、一時間弱働いたところで、冷たい麦茶を飲みながらきちんと休憩。肉体労働をする者は、こまめに休憩を取らないと大けがのもとになります。 

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コストコで手に入れた、3メートル×3メートルのキャノピー。小雨が降ることもありましたが、これで雨の日も晴天の日もばっちり。あれ?何か動物の姿が見えますね。

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守る会マスコット犬の四国犬リリーちゃんのデビューでした!生後三か月です。まったく物おじしないフレンドリーな子とのお墨付きをブリーダーさんから頂いております。これからグングン大きくなるのでよろしくお願いします。

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ちなみにこちらはリリーが10分ほどで掘ってしまった「穴」です。直径20センチ・深さ10センチくらいかな?いやあ、角度とか最高ですね。直角の切込みが最高だし、いい水脈ができそうですなあ。リリーを「水脈整備犬」として訓練をしてみたらどうかな?なんて思いました。まさにここ掘れワンワン!

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この日は子供たちがたくさん参加してくれたのですが(うちの子も合わせて計5名)、たくさんリリーをかわいがってもらいました。なぜか我が家の居間にテントが張られていますが、活動も終わるころ、リリーは疲れ果てて幸せな眠りについております。

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いやあ、幸せそうで良い事。
それにしても子供たちのパワーはすごい!一人っ子の娘もお友達にもまれて嬉しかったようです。子供たちよ、本当にありがとう。我が家もみんなにスピリットを吹き込んでもらえて嬉しかったたのではないかと思う。一つ懸案事項。男児をお持ちのお母さん・お父さん、ぜひご参加ください!女の子ばかりでK家のS介君が寂しがっております。山麓は子供たちの自然体験に最高だと思いますので、ぜひともご参加をお待ちしております。

守る会の目的は決して環境保全だけではありません。共同体(人と人とのつながり)の回復無くしての自然回復はあり得ない、というのが私たちの想いであります。人もまた、自然の一部であるからです。イベント後の我が家は、毎回爆弾が落ちたかのような騒ぎでありますが、かけがえの無い幸せを噛み締めております。ただただ仕事に打ち込み、子供を育てる毎日であったとしたら、このような豊かさはあったのだろうか、と思うのです。ぜひぜひ、お子さんをお持ちの親御さん、もしくは介護でお疲れの方、ご老人や障害のある方を連れてのご参加もウエルカムです。なんの資格があるわけでもありません。お互いに思いやりながら、時を共にできればと思います。我が家は小さいのですが、ロケーションは最高ですので、ただテラスに座っているだけでも癒されます。一緒にお昼食べましょう。そもそも何のための活動なのか?というのが分からなくなるくらい、色々な方がいらしてくれたらなあ。と思っています。

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午前中の活動だけでもかなりのものでしたが、お昼を食べた後、有志で蚕影神社のお手入れへ!高齢化が進む地区では、なかなか聖域のお手入れもままなりません。しかし、神社の聖域とは、すなわち水脈の要であることを高田さんに教えていただいた私達は、毎月の活動に蚕影神社の自主的なお手入れを取り入れることに。この由緒ある素晴らしいお社についてはまた記事を書かせていただきますが、ここでも女性パワー炸裂!姦しく(かしましく。って三つの女なんですね笑)DEEPなテーマでおしゃべりを楽しみながら、ちゃかちゃか手を動かして、ものの小一時間で見よ!この成果を。

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いや~~、皆さん本当にすごい。

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ピカーーーッ!としていますね。活動にご参加いただいたみなさん、本当にありがとうございました!!!

(付記:高田さんに、石段の手入れの仕方が間違っていると教えていただきました。次回は正しいやり方で行ったものを報告したいと思います)

さて、7月の活動のお誘いです。

作業内容は、竹林整備組、竹炭作り組に分かれることになるかと思います。雨の場合は、立野地区の水脈整備ができればと思っています。(雨の日は雨の日で、水の流れが見えるので水脈整備に適しています)

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日時:7月20日(土)

場所:立野集落(六所の隣です)

時間:9時集合~お昼ご飯後、随時解散(午後は有志で一時間ほど蚕影神社のお手入れです)

*疲れすぎない程度に体を動かしましょう。水分はきちんと取りましょう。

*お昼ご飯を食べる方は、おひとり300円(未就学児100円)カンパをお願いします。お昼ご飯は、おにぎり、お味噌汁、漬物です。

*野良仕事の服装でいらしてください。長袖長ズボン・帽子・長靴・軍手は必須です。マムシ・蜂がいます。

*水筒をお持ちください。飲み物は用意しておきます。

*参加ご希望の方は、tsukubanomizu@gmail.comに、ご昼食の有・無もお伝えください。

 

「つながり合う地域」/インターローカリズムの時代へ

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 この写真は、イタリアで最初に国立公園に指定されたという、グラン・パラディーゾをバス(自家用車は乗り入れが禁じられている)から写したもの。イタリア王のみが狩猟を赦される地区であった。息を呑む光景が広がっている。ピエモンテ側のこの道は途中で終わっており、アオスタ側に車で行くことはできない。この聖域を守るため。

 

 この活動を立ち上げて以来、今までの人生では決して出会うことの無かっただろう人々と出会い、志を同じくしている事実に驚きます。年齢、性差、生まれ育ったバックグラウンド、職業、何もかもがばらばらです。私は東京に育ち、子育てを機に山麓に移住しましたが、仕事場は東京です。水脈整備の世界は、普段身を置いている職業世界とは全くパラレルなもので、二つの世界が交差することはほぼ無いだろう…と感じます。東京では時は金なり。あらゆるものがマニュアル化され、自動化され、立ち止まることの赦されないスピードで、多くのものが動いています。地面は可能な限りシールドされ、植栽は切り詰められ、最近は空気すら「浄化」されて味がしない。本当は空気とは甘いものだというのに…。都市化の波は、隅の隅にまで、まだ行き届かない領域を許さないかのように、東京という空間を満たし続けている。それは開発が進むつくば市中心部にまで及んでいます。東京と山麓を行き来しながら、どちらが私にとっての現実なのだろうかと戸惑う事があります。

 

 …さて、今回の記事で取り上げるのは、「インターローカリティ Interlocality」という言葉です。この言葉を手掛かりに、里の外の皆さんとの交流について考えを巡らせてみたいと、ずっと思っていました。インターローカリティ?ローカリティやインターナショナリティという言葉は聞いたことがあるけど、聞きなれないな…?と思われることでしょう。それはごもっとも。中世から近世への移行期である14・15世紀のアルプス地域研究をご専門とされる歴史学者・佐藤公美先生によって、近年提示された新たな概念だからです。では、インターローカリティとはどのような意味なのでしょうか。

 

「(1)地域社会が相互に関係しあい、その絶え間ないコミュニケーションの中で、二つ以上の異なる社会を線で結ぶだけではなく、地域社会と地域社会を構成する諸個人を、絶え間なく変容させるということ。

(2)そのような変容が、「地域」と「地域」の相互的な関係の水準と並行して、時として公権力の定める司法・行政上の枠組みとは異なる、政治的・社会的・経済的・文化的なオルタナティヴな広がりとして、個々の「地域」を超えた広がりを産み出してゆく、ということである。」

(佐藤公美「序論 アルプスからのインターローカル・ヒストリー ―<地域>から<間地域>へ―」、佐藤公美編『アルプスからのインターローカル・ヒストリー ―<地域>から<間地域>へ―』、佐藤公美研究室、2016年、4頁)

 

 インターローカリティという言葉は、単なる「地域間の交流」以上の意味をはらんでいます。辺境の一地域が、全くローカルな目的のために、他の地域とローカルな関係(もしくは衝突)を、公とは関わりなく「勝手に」結ぶうちに、地域内部の個々人に「思わぬ」変容がもたらされる。共同体に生きる人々というのは、無数のネットワークでつながっていますから、その影響関係たるや、神出鬼没です。彼らが本気になると、とんでもない事が起こるのです。その変容は、関係のない他の地域・人々にまで波及し、公的な枠組みのあずかり知らぬところで大きなうねりとなっていき、時には中央すら揺るがすような結果をもたらすことがある。 …という、非常にダイナミックな概念であり、世界認識の新しい枠組みを示すものなのです。

 佐藤先生は、精緻な史料批判に基づき、いかにしてアルプスの山民達が、主体的な存在として自らの問題の解決のためにローカルな政治交渉を始め、彼らの問題に無関心であった君主達を動かすにいたったかという、インターローカルなプロセスを明らかにされています。(Cf. 佐藤公美「地域を超える「争い」と「平和」―中世後期アルプスとイタリア半島における「間地域性(インターローカリティ)」」、『洛北史学』第18号、2016年、1~25頁)そして、このインターローカリティこそ、近代国家形成以降、私達が長らく忘れていたものなのです。

 これからの時代が必要とするものは、問題山積のグローバリズムではあり得ず、地域が主体となっていくべきことに間違いありません。しかし、単なる地域中心主義、ローカリズムという語では、未来を託すにやや役不足と言えそうです。佐藤先生の提唱する、よりダイナミックなインターローカリティ概念に想を得た、「主義」としての「インターローカリズム」の時代が到来しているように思います。現実の「政治」は、公権のあずかり知らぬところでも進行しています。マスメディアに報道されることの無い、水面下の様々な動き―最たるものが水脈整備―をネットで垣間見るにつけ、そのような想いを強くしています。

 インターローカリズムに拠って立つ際、当然のことながら、「共同体」と、その集合体である「地域」を取り戻していく必要があります。これらがどのように失われたかは、以前ブログで言及しました。共同体とは、哲学者内山節氏によれば、人々が助け合いながら生きる互助的な場ということに留まらず、過去に生きた死者、時間、信仰、文化、経済、自然… いのちに関わるすべてが集積し埋め込まれた、一つの生命体のようなもの、といいます。失われかけた共同体の古層にあるものを掘り起こす。価値観の異なるご近所さんと共に生き、時に衝突を経ながらもその価値観へと働きかけ、働きかけられる。そういうものの中に、身を沈めていくことが必要になります。自分の生きる場が、そもそも共同体を作っていくことのできる土地なのか(自分にとってその価値があるのか)どうかを、歴史的広がりにおいて見極める必要も出てくるでしょう。

 貼り付くように共同体と結び合った志ある個々人が、SNSを用いてつながりあい、知見を交わし合い、影響し合うならば、どのような事態が起こるでしょうか。各々の活動は、地域に根を下ろした小さなものに留まりつつも、互いに共鳴し合い、力強さを増し、果ては集合意識としての大きなうねりを産み出していくのではないでしょうか。このうねりは、時に中央の意図と衝突するかもしれない。しかし、個々の活動として多様性を保ちながら無数の地域で独立しているため、中央の統制も効きづらい。かつて無名のアルプスの山民達がミラノ公すら動かしてしまったように、このようなアルタナティヴな広がりが、公の枠組みを動かしてしまうことも、大いにありうるのです。

 水無くして人は生きられません。水脈を守ること、大地の下に想いを馳せること。これは、あらゆる社会問題の中でも最も喫緊のトピックの一つです。むしろ…。ここまで言ってもいいのではないでしょうか。きれいな水の自給できないところに、共同体は成立しえないのです。

 守る会は、筑波山南麓に根を下ろした小さなグループでありながらも、遠い地にあって志を同じくする人々、共同体とつながり、励まし合いながら、積極的に自己を変容させていきたいと思っています。

5月の竹炭作りのご報告 & 6月の竹炭作りのお誘い

 

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5月の竹炭作りにご参加いただいた皆様、ありがとうございました。本当に暑かったですね…忙しくて写真撮影ができませんでした。参加してくださった方よりいただいた写真も交えながら、ご報告をします。いつもの顔ぶれに加え、三人のお子さんを連れた若いお母さん、口コミで来てくださった初参戦の方もいらして、年齢、国籍も多彩な楽しい竹炭作りとなりました。

竹ではなく、木ではだめなのか?ということについて。高田さんやいすみ竹炭研究会の方に伺いましたが、木炭に比べて穴が多いこと、土と混ざりやすいことから、やはり竹炭の方が良いそうです。地形を作った時も、竹炭だとしっかり崩れないで残るとか。できれば竹炭を使いたいところですよね。里では、放置竹林が問題となっています。竹は女性でも活躍できることから、里の整備もかねて、守る会では竹炭作りも柱としていきたいと思っています。

今回は、既に伐採済みの竹運搬組と竹燃焼組に分かれて作業をしました。良い竹炭を作るときに大切なこと。それは、燃やす穴を事前に良く温めておく事だそうです。高熱でどんどん燃やし、じゃーっとお水をかけると、柔らかく土と混ざりやすいポーラス炭ができるとか。

 

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Y子ちゃんの雄姿。それにしても、あ…暑い…

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いぶすようにどんどん上から竹を載せていく…

燃焼のプロ、F先生の厳しい指導も入りながら、なんとか消火までたどり着きました。穴がすり鉢状であるため、なかなか水が中までたどりつかなかったようで、後で見に行ったら再び発火していました。。(いすみ竹炭研究会の方は、浅い長方形の焼き台を使用しているようです。いつか頃合いをみて見学に行きたいと思っています。)すり鉢の中なので火災の心配はありませんが、せっかくの苦労が水の泡になりかねない。今後はきちんとスコップで返しながらしっかり消火をしようと思います。暗い中、泣きそうになりながらY子ちゃんと炭を掘り上げながら消火しました。Y子ちゃん、本当にありがとう。心強かった。伐採しておいた篠竹も燃やしましたが、良い炭になりました。嵩はとれないけれど、とても細かいので、ある意味普通の竹よりも土壌改良にはいいかもしれません。竹運搬組も、たいへんだったようです。ゆるーくやりましょうと言っておきながら、結構ハードなイベントになってしまいました。

作業中、子供たちはおうち遊び。お昼のカレーもたくさんおかわりしてくれました。イベント終了後、爆弾でも落ちたのかという散らかし具合に、子供は複数になると個々のエネルギーが増幅されると実感しました。でも、一人っ子の我が娘にとっては、贈り物のような時間だったことでしょう。ありがとう、みんな。

しかしそれにしても暑かった。。いつも元気印のF先生(80近い)が最後別人のように萎れていたのを見て、もっと暑さ対策を考えなくてはと真剣に反省しました。コストコでキャノピーとウォータージャグを買い込んだので、次回はしっかりとしたお休みどころを設けます。そしてきちんとタイムキーピングをして、休憩時間を取りたいと思います。

 

さて、6月の竹炭作りのお誘いです。

作業内容はまだ決まっていませんが、おそらく枯れ竹の伐採・運搬になるかと思います。今回は燃やしません。

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日時:6月22日(土)

場所:立野集落(六所の隣です)

時間:9時集合~お昼ご飯後、随時解散

*疲れすぎない程度に体を動かしましょう。水分はきちんと取りましょう。

*お昼ご飯を食べる方は、おひとり300円(未就学児100円)カンパをお願いします。

*野良仕事の服装でいらしてください。長袖長ズボン・帽子・長靴・軍手は必須です。既に蚊が出没しています。マムシもです。

*水筒をお持ちください。冷たい飲み物は用意しておきます。

*参加ご希望の方は、tsukubanomizu@gmail.comに、ご昼食の有・無も合わせてご連絡をお願いいたします。

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この日は、守る会マスコット犬リリーちゃん(4か月)デビューの予定です。(まだブリーダーさんのところにいます)とっても希少な四国犬です^^愛らしい柴犬と違ってきりっとした野性的な顔立ちでしょう。ニホンオオカミと交配しているとも言われています。高田さんのイベントの時も連れていく予定です。しっかり躾けますので、皆さんよろしくお見知りおきを。

 

 

田井の里の田楽舞

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5月12日(日)、「自然生クラブ」による田楽舞が、細草川ほとりの「山の神」(筑波山の南麓から見て、田園地帯を挟んだ南側にある低山)にて奉納されました。

自然生クラブでは、知的ハンディーキャップの方々と「健常者」達が、共に暮らしながら有機農を営んでいます。彼らの感性は農ある暮らしの中で豊かに育まれ、ダンスや演劇、絵画などの多様な芸術活動として昇華されます。海外公演の経験も豊富、地球市民賞も受賞した、筑波山南麓の誇る芸術家集団です。

田楽舞は、弥生時代から行われていたという六所神宮お田植え祭の再現から始まりました。六所大仏前から、ポニー二頭を先頭にしたてて、太鼓をたたきながらのぼりを立てて歩いていきます。かつては神郡まで行っていたようですが、私たちは「山の神」が終着点でした。(カメラを忘れて写真を全く取れなかった!行列後、あわててカメラを取りに帰って、取材続行)「山の神」と聞くと不思議な気持ちになりますが、全国に残される地名とのこと。里と山の境界域、いわゆるサンクチュアリを指しているのだとか。この一帯は昔ながらの谷津田が残っており、無農薬のお米作りが行われています。

 午前中は、皆で田植えです。古代米の苗を、紙マルチに穴を開けながら植えていきます。弥生時代からのお田植え祭行列の後に、古代米を植える。自然生は、場の歴史的コンテクストを広く深く見渡し、作品を作り上げる。だから、後から後からパフォーマンスの意味が幾重にも広がっていく。

田んぼの雑草取りはやったことがあるのですが、田植えは初めての私。ちょっとだけという事もありますが、本当に楽しかったです!初対面の小学生の女の子とペアになって田植えをしました。ドイツからの交換留学生も遊びに来ていましたよ。

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程よく疲れたのち、お待ちかねのランチ。鶏肉のバーベキューだ!手作りのにんにくダレが美味しい!ちなみに、主宰者の柳瀬さんはたいへんなお料理上手で、お手製のカレーもパイも全てが絶品。全方位において天才的な方です。

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何種類もの副菜に、薪焚きのご飯。地元の養鶏家兼プロの画家の御手洗さん(この方も南麓の誇る芸術家)による、平飼い卵も。1000円の参加費で、ここまでいただいちゃっていいのでしょうか、というようなボリューム。今回は100人分用意したそうですが、皆さん涼しい顔。蚊の鳴くような弱小守る会とは機動力が全然違う…!ぐうの音も出ませんでした。 

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田楽舞が幕を開ける。山麓の風を受けながら、たたずむダンサー。

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素晴らしい感性。優雅で力強い身のこなし。着物を前後ろ逆に着付けているのは、柳瀬さんのとっさのアイディアだそうで、この世のものではない、精霊を表現しているとか。

あれ?なんだか舟の底に何かが見えますね。 

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子供たちが隠れていました!

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早苗さんのたおやかな舞い。普段はバレエ講師をされているとのことですが、自然生のメンバーたちと、即興の舞で感性をぶつけ合っていきます。サンクチュアリ「山の神」を舞台に、ダンサーたちの想いが融け合う。

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なぜかとんでもないポジションで見入る我が娘。誰も咎めることなし。この自由さが自然生。

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最後はダンサーと太鼓奏者が輪になって踊る。

山の神への祈りは届けられた。

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この日は風が強くて寒かったです。山の神からは、筑波山がよく見える。筑波山の右足元に見えるぽこっとしたのが、宮山です。筑波山の水脈が右に大きくぶれているの、なんとなく地形から分かりますか?

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参加者の子供たち、片付けが始まっても舟から降りようとしない。最後の最後まで粘って遊ぶ。何を話しているのかな?

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芸術とは、本来、民の素朴な暮らしから生み出され、そして暮らしと一体となってあったもの。19世紀に芸術が博物館制度や資本主義に飲み込まれる以前、私たちは誰もが芸術家でした。農の合間に歌を詠み合い、布を染め、織り、祭りの神楽を奏で、皆で踊った。芸術は、自ら表現することに意味があった。生きること=芸術だった。それなくしてはとても生きていられない、そのようなものだった。

今、芸術行為は制作者と受容者とに役割分担され、消費されるべきものへと変貌しています。芸術といえば、衣食住が満たされたのちに興じるべき贅沢品のようなものとして捉えられています。しかし人類の歴史を振り返るならば、アルタミラに見られるように、最も優れた動物画は厳しい環境に生きた狩猟採集民によって制作されたのであり、死を覚悟してエジプトを脱出したイスラエルの民は、懐に竪琴を忍ばせていたのです。人間が人間的であるために芸術が不可欠であるのは、歴史が明白に語っていることです。資本主義が行き詰まりを見せる中、21世紀の芸術はどのようなものであるべきなのか、もう一度問うべき時に来ている気がします。ここ山麓の百姓たちは、日々の合間を縫って晴れ舞台にむけて支度を進め、作品を構想し、表現する。その中心にはかつて神として敬われた山があった。

食べ物だけではない。芸術もまた自給自足に少しでも向かうことが、これからは大切だと個人的に考えています。

 

 

5月の竹炭作りのお誘い

 

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 こちらは5月2日の、我が家から見た神秘的な筑波山。900メートルに満たない小さな山の麓なのですが、ふとした瞬間、神代に迷い込んだような気持になることがあります。ゴールデンウィークを経て、頂上部のブナも芽吹いたようです。今年は、なんとなく里の気配が例年とは異なります。いつもはつんざくような蛙の鳴き声もそれほどではなく、畑も例年に比べあまりよくありません。六所皇大神宮霊跡地での大祭も、雨に降られたのは、始まって以来とのこと。

里と外が交流した感動的なイベントから、早一か月がたとうとしています。あの熱気を懐かしく思いながらも、守る会の地道な活動を進めて行きます。まだまだ、全てが手探りです。

5月の竹炭作りのご案内です。お近くの方はどうぞお気軽に!小さなお子さん連れの方もいらっしゃっていますので、お子さんに火遊びをさせたいという方もどうぞ!消防署にはきちんと連絡を入れます。

篠竹の藪、放置竹林の整備も、大切な水脈整備の一環です。楽しく竹炭を焼きながら、山麓の環境を良くしていきましょう。ダイエットにも最高!(私が言ってもあまり説得力がないか・・・)

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日時:5月25日(土)

場所:立野集落(六所の隣です)

時間:9時集合~お昼ご飯後、随時解散

*適当にゆる~くやります。疲れすぎない程度に体を動かしましょう。

*お昼は、適当にみんなで作って食べます。足りないものが合ったらその場でスーパーに買いにいっちまえ、という行き当たりばったりな感じでやります。実費を割りましょう。

*野良仕事の服装でいらしてください。長靴・軍手は必須です。既に蚊が出没しています。

*我が家のすぐ近くなので、特に食器などはいりません。お水もあります。どうぞ気軽に。みんなで片付けましょう。

*家庭菜園に炭が欲しい!という方もウエルカムです。どなたでもウエルカムです。何か袋をお持ちください。

*参加ご希望の方は、tsukubanomizu@gmail.comに参加のご連絡をお願いいたします。

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その後の個人的な水脈整備活動。

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高田さんにならったやりかたで、我が家側の畑にさっそく階段を作りました。その奥の赤いカーペットは、とにかく草を刈る場所を減らしたいという隣人M子さんの案です。まさか私がレッドカーペットの上を歩けるとは思いませんでした。M子さんはいつも斬新で、超クールです。

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こちらは除草剤を長年撒いていたためにカチカチの土地。高田さんのブログを読んで、教えていただく前にやってしまった溝掘り+縦穴掘り+竹筒差し込み。一番大変だけど、これが一番効く。二年目のライ麦畑の場所は、驚くほど柔らかい。ライ麦はすごい!毎朝ライ麦パンを食べる我が家では、今年は自家製ライ麦でパンを焼きます。

不思議に、途中で水が噴き出してくる場所が。おそらくライ麦で耕されている場所と、そうでない場所があるので、その部分で水が停滞していたんですね。

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隅には1メートルを超える大穴を開けました。夫がですが。(ヨッ!惚れ直したぞ!)

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この人がすっぽり入っちゃいました。

この畑を、最高の自然農の畑にすることが、目下の野望です。きっとできるはず。

土とまつわりあっていると、ただただ愛おしくなります。世の中の些事を忘れてしまいます。デスクワークが多い私にとっては、エクササイズのようなものです。指は太くなっちゃったけど。

見上げると、いつも筑波山が見守ってくれています。