筑波山の水脈を守る会

本会は、筑波山の水脈を保全する活動を行っています

我が家の水脈整備

水脈整備のやり方を高田さんに教えていただくことになっているのですが、待ちきれず、我流で色々とやっています。

これまでの理解ですと、水脈整備には大きく分けて、

 1 溝掘り・縦穴掘り→炭、有機物、竹筒を差し込む

 2 風の草刈り

 3 沢の整備

があるのではないかと思います。私たちはこの三つを既に試しています。1は女性にはなかなかきついものがあります。特に筑波山南麓は石が多く、粘土質の土壌であるため、ほんとーーーに、たいへんです!!!ただ効果は抜群であると感じています。一方、2と3は、女性でも子供でもお年寄りでもできる、非常に楽しい作業となります。3については細草川の記事で既に紹介しました。

こちらは、我が家が草刈り、芝焼きを担当している土手です。区長さんにお許しを得て、風の草刈りを実施している場所です。

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私達がやっているのは、風の草刈りというより、ただの高刈りですが。土地改良区との境目ですので、U字溝も深く、山の水がかなりここで停滞していると思われます。土壌が大きく変わるのに3年と言いますが、一昨年の秋から始め、今年の春から3年目のシーズンに入ります。土壌が変わると植生が変わり、柔らかい草が生えてくるようにります。芝が芽を吹いているのが分かります(↓)。昨年は芝など殆ど見当たらなかったのですが。ちなみに一番水脈が詰まっていると考えられる道の曲がり角には、ススキが生えています(↑手前)。固い土地には固く手ごわい草が生えてくるのです。

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よく手入れのされていた昔の土手は、美しい芝地だったそうで、このまま高刈りを続けていけば、そのように変わっていく予感がします。季節になれば殺虫剤がラジコンヘリで大量散布される土地ですが、高い草に守られたのか、土手には生き物がいっぱいでした。ちなみに冬の芝焼きも、高刈りの枯れ草が功を奏して、きれいにきっちりと焼けました。

風の草刈りは楽しいのですが、昨年私はブユに何度もやられました。小さい割に、強烈に腫れあがるので、やっかいなやつです。イベントに参加される方も、命にかかわるようなことではありませんが、どうぞお気をつけて。黒い服を着ないこと、専用の虫よけを使う事が自衛になります。また、かまれた直後にポイズンリムーバーを使い、専用の薬を塗るとだいぶましです。

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いたるところに繁茂するアズマネザサ。これも水脈の詰まりの証です。下から刈ると反発して暴れるので、あえて一メートルくらいのところで刈ります。薪を乾かすために、一部刈ってみました。なんでも、冬に一メートルほどのところで刈ると、うまく枯れてくれるのだとか。本当なのでしょうか。

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敷地の向こうには、土地改良区が見えます。この敷地で山の水が止まってしまうので、困っていました。晴れた日でも道際は湿地状態で、舗装道路に水がしみて、臭気があたりにただよい、油が浮かんでいたのです。酸素が欠如することによって、有機物が分解されないためです。周囲の地主さんの了解を得て、ユンボで溝と縦穴を掘りめぐらせました。溝は一メートル、縦穴は1、5メートルくらいは掘ったでしょうか。掘ったとたんに、まるで、待っていたよ!というように、腐った水が大量に噴出してきたことは忘れられません。強烈な臭気でした。溝には自作の消し炭と大量の剪定枝を投入しました。8か月ほどたって本当に水はけは良くなりました。

思えば、これが最初の本格的な水脈整備でありました。8月の暑いさなか、軽い熱中症になりながら、限られた時間の中で一気に進めたこと、忘れられません。何より、この話にがっつり乗ってくれたM子さんには心より感謝です。

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これが縦穴です。こんな具合にほぼ常に水が溜まっています。はじめは臭かった水が比較的綺麗になりました。中には大量の竹炭を投入しています。まだ澄んではいませんが、まずまずではないでしょうか。グライ層という有機ガスを発生させる土壌も、空気に触れて消えていきました。 

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自然農による家庭菜園。ここにも我流で縦穴と溝を掘り、炭と有機物を投入、竹筒で空気孔を設けました。畑を貸してくださった方が、除草剤を使わず草を大量にすき込んでいたので、土は柔らかかったのですが、耕転していたために、30センチくらいのところにグライ層が出来ていました。

筑波山の水脈を守ること。それは鎮守の森を復活させるだけではなく、各自の敷地の水脈を復活させることも大切なのではないかと思います。小さな水脈整備をする時、私たちは筑波山を見上げます。今、足裏マッサージをしているよと声をかけながら…