筑波山の水脈を守る会

本会は、筑波山の水脈を保全する活動を行っています

7月の活動のご報告&8月の活動のお知らせ

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上は、宮山西の谷筋に皆で作った沢筋に出来た深み。こんなに透明できらきらした水が集まっていますよ。森の動物たちも水場が出来て喜んでいることでしょう。そして私も。。。水脈を守るということは、ひとつひとつの水場をどこまでも澄ませていくという事。地上の水が澄んでいるということは、土壌が健康である証であり、そういう地の植物は藪化せず、人にも心地よい空間を提供してくれます。当然災害も小さい。

さて、7月は地球守ダーチャ訪問、月一の活動、8月の新潟黒姫山訪問の打ち合わせ等もあって、水脈にかまけすぎました。。本業に若干差しさわりがあり(なんとか不眠で帳尻合わせましたが)、反省です。常に余力を残しておかないと、もう若くないので色々なことがこなせないですね。頭の切り替えも若い時のようには。。ただ、心情的に大きな転換の月となったことは事実であり、様々な方からインスピレーションをいただきました。心より感謝申し上げます。 まだお話しできる段階ではありませんが、大きなプロジェクトも動き出しました。うまく行くことを祈るばかりです。

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さて、今月の活動は、前日に雨が降ったこともあり、竹林整備はやめておきました。竹林は意外に危険で、転んだ時など大事になりやすいのです。かつて夫は、長靴を履いていなかったために、ふくらはぎにかなり深く傷を作ってしまいました。そもそも夏に竹炭を焼くこともないですよね。代わりに、涼みがてらに宮山の西の谷筋のメンテナンスを行いました。沢掃除はまだやったことのないみんな、この楽しさに相当はまってしまった!ごはん時になってもみんな帰ってこない(特に女性陣)。夫が「疲れたけどみんな帰らないからさ~」と愚痴っていました。

谷筋の状態はかなりひどいもので、斜面崩壊のためにほとんど流れが無く、湿地状態でした。高田さんとのWSで多少掃除したとは言え、それはほんの一部。きちんと泥が流れるよう、抜本的に手を入れました。枝葉を取り除き石を動かすと、すぐに水は動き、泥が流れていきます。ちょっとやりすぎかと思われるかもしれませんが、皆で考えて、かなり大きな石もどけました。沢掃除でどのくらい手を入れるかは、森の健康状態によるのではないかと思います。宮山はかなり劣化した森のため、このような判断をしました。ちょっとの大雨で、上から石や枝葉が流れてきて流れをふさいでしまうのです。

日々の現場に、高田さんはいらっしゃいません。自分たちで知恵を絞って、感じて判断していく他ありません。時には失敗することもあるでしょうが、山は優しく修正してくれます。経験を積み重ねていき、いつか山の牧人になれることを祈って。

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沢筋に設けられた、コンクリートで固められた水溜。泥が溜まってほとんど水が出ていない状況でしたが、泥を取り除き、勢いよく水がパイプから噴き出し、澄んできました。この沢水は六所集落に引かれ、各敷地をうるおしていたのですが、ほとんど水が無いため、パイプははずされていました。もっと上流まできれいにすれば、水量が増えるので、再び敷地にひいていただけたら、と思います。

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水溜の上。さらに泥をさらっていく。一応、水が流れ始めました。でも水量が少ない。森が健康になっていけば、水量は増えていきます。大雨が降っても山は水を存分に吐き出すことが出来るので、これ以上の防災はないのです。

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その上、こんな状態。沢??という感じですね。これでは宮山が苦しむのは無理はない。来月はこの沢を引き続き綺麗にします。

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斜面崩壊の後の崖に、苔が生え始めていました。斜面崩壊は、山が呼吸するために自分を崩すため、この後山は心地よく呼吸が出来る。その崖面が安定してきた証拠。

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唐突ですが、我が家近くの、山からの水が停滞して湿地状態になっていた場所(写真奥の方に、水の道への染み出しが確認できます)の改善。かなりの紆余曲折の後、少しずつ形ができてきました(まだ溝が通っていないですが)。高田さんにおそわったやり方で作った階段、安定しています!

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直角の切込みは安定し、苔が生えてきている(上は階段なので踏みしめています)。その上にはたくさんの炭と有機物を載せましたが、様々な植生が認められます。急な崖であっても、擁壁は必ずしもいらないということが、ミクロ、マクロの観察から見て取ることが出来ます。

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シャワーを浴びて、ご飯を食べて、一休みして、午後の部!蚕影山神社へ!この参道がなかなか長大で、一度に手入れを終えることが出来ません。少しずつ進めて行きます。

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実は、前回の参道のお手入れはやりすぎであった事を、地球守ダーチャにて、高田さんより次世代の専門家としてたいへんな期待を寄せられている今西友起さん(三重で自然土木をご専門にされています)に教えていただきました。石段の草を根から引くと、土壌に悪影響を与え、石段の崩壊を誘引するそうです。本来、たくさんの参拝者がいれば、振動が石に伝わり、草は遠慮するものだそうです。

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生えてきてしまった草は根から取らず、頭をつまむに留めてみました。・・・こんな感じ?自然で、かつ歩くのに邪魔でない程度。高度な美意識が要求されます。ひとつひとつの草の命と向き合いながら、どのくらいあなたの命を狭めても良いものか、首をかしげながら取り組んでみました。そういえば、京都の庭職人は、落ち葉の掃除の時も、あえて絵になる形で葉を残すとか。

今西さんは、もともと土木業界での長い経験をお持ちでしたが、土壌環境の問題に気付かれたのち独立され、「優しさと愛」を主眼に置いた自然土木の会社を立ち上げられました。地球守のダーチャでは(厳しい…)薫陶を受け、私も守る会事務局としてもう少し上の段階に行かなくてはいけないという、思いに至ったのでした。私もプロの視点を得、他の方に教えられるようになるため、今週末、新潟の黒姫山に集中講座を受けに行きます。これについてはまたご報告しますね!

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皆で、「今西さん的にはこのくらいなの???」などと相談しながら手入れをし、こんな感じになりました。間違えて根からひいてしまったM子ちゃんが「きゃ~ごめんっ!」、というまでに皆の意識が変わりましたことをここにご報告申し上げます。山麓の小さな活動でありながら、思いがけず遠い地の方よりご期待いただき、ありがたく、励まされる思いです。

 

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さて、8月の活動のお誘いです。

作業内容は、暑いので、宮山の谷筋メンテナンスになるかと思います。雨天決行です。(雨の日は雨の日で、水の流れが見えるので水脈整備に適しています)

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日時:8月24日(土)

場所:立野集落(六所の隣です)

時間:9時集合~お昼ご飯後、随時解散(午後は有志で一時間ほど蚕影神社のお手入れです)

*疲れすぎない程度に体を動かしましょう。水分はきちんと取りましょう。

*お昼ご飯を食べる方は、おひとり300円(未就学児100円)カンパをお願いします。お昼ご飯は、カレーです。

*野良仕事の服装でいらしてください。長袖長ズボン・帽子・長靴・軍手は必須です。マムシ・蜂がいます。

*水筒をお持ちください。飲み物は用意しておきます。

*参加ご希望の方は、tsukubanomizu@gmail.comに、ご昼食の有・無もお伝えください。