筑波山の水脈を守る会

本会は、筑波山の水脈を保全する活動を行っています

第三の師現る―水脈整備犬リリーの本領

youtu.be水脈整備を始めてから、師とお呼びしたい二人の方にお会いしましたが、本日、第三の師が衝撃と共に姿を現しました。。。それは、なんということでしょうか、我が家の同居犬、守る会マスコットのリリーであったのです・・・!!!(犬と比べるのは失礼だとは思うのですが、本当にそういう心境になったのです。自然は偉大です。まずはビデオを見てください。)

今まで犬を飼ったことの無い私は、この犬は賢い、賢くない、ということは正直なところあまり分からないのです。しかし、犬を良く知っている方々に、この犬は賢い、こんな賢い犬はなかなかいない、という言葉をかけられることが多いのです。お座りもお手も覚えないのか、そんなことをやっていられないから無視をしているのか、よく分かりません。たいへんないたずらっ子です。今まで多くのものを破壊されました。ただ、全く吠えません。必要な時にシグナルとして短く吠えるだけなのです。散歩のときも、こちらに負担をかけすぎないよう、配慮をしてくれます。嫌なことをされてもじっと耐えます。人間も犬も大好きです。ご飯はあまり食べない。なんというか、ストイックなわりにフレンドリーで変わった犬だとは思っていました。

筑波山の麓にある宮山の西の谷筋を散歩していると、突然リリーの様子が変わり、たいへんな集中力で周囲の臭いを入念に嗅ぎ出しました。いきなり駆けだしたかと思うと、その先には水の停滞した湿地が。4月の高田さんのWSで少し手を加えた場所です。五感を使って現場を分析した後、的確な場所に点穴を掘っていきます。垂直断面を作る際は、ややオーバーハングになるよう角度を変えながら念入りに。全体の水・空気の通り具合を複数の地点から何度も確認し、必要最低限に手を加え、仕事をさくっと終えたら次の場へと移っていく。すごいの一言…。確かに、穴を掘る速さがすごいし、断面の角度がきちんとオーバーハングしているのはすごいなとは思っていたのですが、そんなものではなかった。。。

リリーは絶滅危惧種四国犬です。事務局はドイツ生活が長かったのですが、ドイツで経験した犬と人間との関係に憧れ、スタンダードダックスフントジャーマンシェパードを飼いたいと思っていました。しかし、良い犬が見つからず考えあぐねていたところ、何かに導かれるように四国犬を飼いたくなり、宮城の「日本犬牧場銀河の郷」から譲っていただいたのです。「銀河の郷」は、心優しい獣医さんによって経営されていて、宮城の大自然の中、夢のような環境で日本犬の繁殖が行われており、なかでも四国犬の繁殖に力を入れていらっしゃるのです。(食事はイノシシと魚だけ!)

四国犬は、特殊な犬です。

引用:「四国犬というのは、日本犬のなかでも、縄文犬、弥生犬(いずれも、土偶や、化石骨から出土している)に最も近く、それ以前までさかのぼると、日本オオカミに近いとされる犬です 頬に掛けての[裏白)また、尾[元は巻尾だったと推測できる)形態で有るからです。」

http://www.jca.apc.org/~kuzunoha/kawara-sikoku.htm

今回は、山の整備における犬の素晴らしい知性と可能性を垣間見ました。人間にしかできない水脈整備はあります。しかし同時に、嗅覚と聴覚にすぐれた犬にしかできない水脈整備もあります。日本の山がここまで荒れた理由のひとつに、狼の絶滅があることは間違いなさそうです。猪が穴を掘って山を整備していることは高田さんに教えていただきましたが、おそらく狼も日々自分たちの餌場を大切に保全していたのでしょう。集団の力を使って。すべての犬がリリーほどの動きを見せることが出来るか、というとそんなことはない気がします。やはり狼に近い四国犬の性質が現れているのではないかと思います。今後はリリーと積極的に山に入り、好きにさせたいと思います。お手もお座りもやってくれませんが、そんなことはどうでもよいことだと改めて思いました。彼女は、私たちのかけがえのないパートナーになる。そう思いました。

まだ生後六か月目のリリー。かなりの美人さんです。いずれ繁殖を考えていますので、四国犬が欲しいという方、事務局に声をかけてくださいね!

 

*次の日現場を確認しましたが、砂を噴き上げた湧水になっていました。リリーが入念に掘った穴だけ!すごいを通り越して畏怖を感じました。またブログにアップします。