筑波山の水脈を守る会

本会は、筑波山の水脈を保全する活動を行っています

8月の活動のご報告&9月の活動のお誘い

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9月の活動のお誘いです。

作業内容は、竹炭焼き+階段作りになるかと思います。

*今回は急遽、三重県から自然土木をご専門とされる今西友起さんを講師としてお招きし、山のスクールを開催することとなりました。任意で、謝礼へのカンパをお願いできればありがたく存じます。

雨天決行です。(雨の日は雨の日で、水の流れが見えるので水脈整備に適しています)

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日時:9月28日(土)

場所:立野集落(六所の隣です)→ 六所皇大神宮霊跡地 境内 に変更

時間:9時集合~お昼ご飯後、随時解散(午後は有志で作業を行います)

*疲れすぎない程度に体を動かしましょう。水分はきちんと取りましょう。

*お昼ご飯を食べる方は、おひとり300円(未就学児100円)カンパをお願いします。お昼ご飯は、焼きそばです。 → 人数が増えましたので、豚汁の予定です。

*野良仕事の服装でいらしてください。マムシ・蜂がいます。帽子・長袖・長ズボン・タオル・軍手・長靴・リュックか腰袋・着替え・虫よけスプレー・虫刺されの薬 等 黒い服装はお控えください。

・持ち物:飲み物入りの水筒・ノコ鎌・移植ゴテ
(昼食を一緒に召し上がる場合)お皿・お椀・お箸・コップなど

*参加ご希望の方は、tsukubanomizu@gmail.comに、ご昼食の有・無もお伝えください。

 

《初めて参加される方へお伝えしたいこと》
私たちの活動は、自然保護を第一の目的としたものではなく、山を真ん中とした、人と人、里と街とのつながりを再生することを一番大切にしています。山仕事には危険がつきものですが、ボランティア保険はかけず、「自己責任」という言葉も使わず、お互いを思いやりあって活動をしていきたいと思います。小さなお子さんやご老人も参加されますが、誰も怪我をすることなく、無事に家に帰ることが出来るよう、優しい気持ちで祈りながら、同じ時間を過ごしていければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

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太陽の日差しはどこか弱いままに気温はあがり、むうっとした熱中症の恐れが強い日となりました。今日の事務局は緊張をしていました。というのは、たいへんうれしいことながら、急に参加人数が増えてしまい、きちんとさばけるのか心配だったのです。しかもなんと、県南で広く読まれている常陽リビングさんが取材に入ってくださったのです!今年の1月に小さく始まった山麓の活動が、花開こうとしている。そんな気持ちです。常に楽天的でいたい。そう思います。

 

*今回の記事はかなり長くなります。

 

いつの間にかレギュラーメンバーになってくれた(これもひとえに高田さんがWSで熱いスピリットを吹き込んでくださったおかげです)Y子ちゃん、M子ちゃんは家族を引き連れて前日入りしてくれました。バーベキュー、花火、佐渡のおいしいお酒、最高だったね。常陸牛のハンバーグを裏磐梯の山塩で、はグルメすぎた…。守る会を立ち上げて一番嬉しいことは、出会う事のなかったはずの者たちが出会い、友情をはぐくみ、胸襟を開いて語り合えること。総勢5人の子供たちは大興奮、親たちが夜中の二時に寝ても、UNOをやっていたそうです。

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次の日の二人。まつりつくばで笛を吹くそうで、田井の里をバックにぴ~ひゃらら。背後には蚕影山があります。立野集落に澄んだ音が響き渡ります。なんだか別の方向で、守る会の存在感が増しています。でもこれが守る会の強さとなっていくのだと確信しています。小さな小さな共同体が―それも深く山とつながろうとする強い意志を持った新たな共同体が山麓に生まれつつあります。神社合祀前の共同体をもう一度取り戻したい。いかに「自然保護」という概念を超えながら「自然」を取り戻すのか。何度も何度も思考を重ねながら、あきらめずに手を伸ばしていきます。遅れてやってくるご家族がいるため動けない私に代わって、二人が宮山にみんなを引き連れ作業を始めてくれました。少しずつ、私が全て回さなくても大丈夫になっている。人数がもっと増えてきたら、グループを分けて彼女たちにもう片方を任せたい。そんな風に思っています。

実は、今回の私は前回までの私とは違いました。三重で自然土木を営まれている今西友起さんに地球守のダーチャで薫陶を受けた私は、8月頭にほぼマンツーマンで様々な技術(スコップの使い方から、山での足の運び方から!)を教えていただいたのです。今までの私は技術的にはアマチュアでいたいというどこか煮え切らない態度がありました。それは本業でないものに足を突っ込みすぎて、本業が疎かにになることへの恐れがあったからです。しかし三日間にわたり、ひたすら草を刈り続け道を切り開く姿、透徹な視線で地形を切り裂くように読み解く姿を目に焼き付けた私は、プロの方だけが持つ気迫に圧倒され、守る会を率いる私もこうでなくてはならない、そうでなくては山を救うことなど到底できないという気持ちが強くなったのです。本業と水脈と、二兎を追う他、もう無いのです。お陰様で、今回の私はそれまでの私とは異なり、確信をもって、道具の使い方、枝の抜き方、穴のあけ方を伝えることが皆にできたと自負しています。今後はプロの方々から積極的に技を学び続け、守る会に来てくれるみんなに、確固とした技術と思想を身に着けることの大切さを伝えていきたいと思います。消えることの無い水脈への情熱を私に吹き込んでくださった高田さんに引き続き、的確な技術と思想を伝授してくださった今西さんには、心より感謝申し上げます。今私には、二人の師がいらっしゃるのです。

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藪化した宮山西の谷筋の沢。ほぼ水の流れは停滞しています。本来水が流れる場所というのは、爽やかな空気の流れがあるもの。枝を間引いて、沢上の気脈の流れを作ってあげます。これだけで周りの草の生え方が変わってくるんですよ。この時に大切なことは、植物に向ける意識です。もし乱暴な気持ちで取り組んでしまえば切りすぎてしまうに違いなく、剪定後に枝が反発するのです。それでは藪が健全化していかないのです。刈っても刈っても繁茂する植物と「戦う」ことになります。静かで優しい気持ち―切ってごめんね、切らせてもらうね、という気持ち―で一本一本の枝に向き合う事が大切です。その時人は、第六感も使いながら、最適の抜くべき枝を見極めることが出来るはずなのです。その能力は人であればだれもが持っているものなのです。その一点を求め抜くことの大切さ。山が好きな方なら、至福の時ですよ。

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これでは、私の考えではやりすぎなのです。藪は反発するし、直射日光が地面にあたりすぎて手ごわい下草が生えてきます。私は剪定のやり方を伝えた後、他の現場に顔を出していたので、切りすぎていることに気が付きませんでした。気が付いたのはY子ちゃんです。気が付いたきっかけのアプローチは違いましたが、結論は同じでした。皆、自分自身で考えているのです。そして意見を共有し、本気で議論するのです。どのような学びの場においても大切なことです。 

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どうやら岸から切っていたようで、完全に沢に入って、枝と対話しながら剪定をしてもらいました。

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少しこつを伝えただけで、すぐにものにしてしまう勘の良いAさん。単に、意識の変化を促しただけです。こういう時は、個々の技術より思想を伝えた方が早いし、応用が利きます。水脈整備をする時は、ノーメイクの頬っぺたと、できれば腕を出すことが大切です。空気の流れを感じるためです。すべて刈らずとも、空気が流れていくことを感じて欲しい。山で、不必要に枝を切ったり草を刈る必要はありません。後の仕事が増えるだけです。

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泥をあげる。こういう時は敷葉工法です。枝葉と炭とサンドイッチしながら泥をあげていくと、一つの地形になるのです。 

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泥をあげるだけではない。下からの水の湧き出しを誘発するためにショウセンで突く!石の際や地形変更ラインが湧き出しの発生しやすい箇所ですが、この時の角度を説明する時、私は、「歯医者さんが歯石を取るときの角度を意識して」と言ってみました。垂直よりやや攻めて欲しいのです。ショウセンの重みを利用しながら…一気に突く!悪くない角度だと思います。

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もう一つの現場。稲荷神社に向かう急な道に階段を作ります。南麓最強の男、空手日本一になったことのあるN師範と、同じく空手家のたおやかなN子夫人。師範が参加してくれると聞いて、階段を作ってもらおうと私はてぐすね引いていたのでした。階段作りは、男女ペアが良いのではないかなと思います。力強い男性の筋肉と、繊細な女性の感性と、どちらも必要です。

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階段の作り方の詳細を説明すると記事がとんでも長くなってしまうので、また今度に。写真を載せておきますね。守る会に来てくださったら教えて差し上げますよ。一緒に作りましょう!

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何をやっているのでしょうね~。またの機会に説明しますね。マイナスドライバーは本当に使えますよ。

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この階段に左右の木の根っこがはいっていけば、それは1000年(は言い過ぎ?)持つ階段となるのです。そのために気を付けなければいけないポイントはいくつもあります。

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一足先に帰宅すると、娘がご近所さんからお野菜をいただいたバケツを返していました。この光景を見たとき、言葉にならない感情が沸き上がりました。

この後蚕影山神社に行った私は思いがけない方と出会い、そしてキイロスズメバチに頭を刺されました。帽子をかぶっていなかったのが良くないのです。黒いところを刺されました。他の人がさされる前に私が刺されてよかった。皆さん、帽子かてぬぐいは頭に巻きましょう!黒は良くないです。ドイツの生活の知恵、タマネギを頭に載せてなんとか回復。今でもズキズキしながらブログを書いています。ハチの活動も活発になってきますから、皆さんご注意を。